Q:アトラス号(“Atlas”)の鳩及び目はどのようにして撮影 されたのですか?


A:こうして撮影しました


 必要な撮影機材や撮影方等については下記に述べてありますので、すこしだけ補足すると、眼球の接写撮影はだれでも簡単に撮影出来るというものではありません。かなりの経験と熟練が必要です。撮影枚数は、5枚以上は撮影し、その中からアイサインや虹彩の部分にピントが合ったベストショットの1枚を選びます。経済性を考えれば何枚撮影しても費用のかからないデジタルカメラが良いでしょう。中でも動く目の撮影にもっとも適しているのは一眼レフカメラです。(最近は、一眼レフデジタルカメラが一般の方が手に入れやすい価格になっています)その他、目の撮影に欠かせないものに三脚、マクロレンズ、レリーズなどがあります。あとは経験をつんでください。 

 次に鳩と背景についてのご質問のようですが、鳩の撮影は、鳩雑誌社さんがお使いの撮影ボックスに似たようなものを自作しています。鳩の撮影は、これまた難しいもので、グットタイミングの一瞬を逃さない集中力と粘りが欠かせません。
 撮影枚数も複数の中からピントの良い姿勢の良いものを選びます。あとの処理は、コンピュータに取込んで画像処理を施して、背景から鳩だけを切り抜きます。つぎにお好みの背景の上に合成し、あわせて必要な文字も合成して完成です。簡単に述べましたが、実は、各行程で高度なテクニックが必要になります。簡単には説明できないことをお詫びしておきます。



・撮影ボックスについて

 鳩雑誌社の撮影ボックスは@カメラ側のフラッシュ一台、A撮影ボックスの両サイドから白色アクリル板越しにフラッシュ2台、B撮影ボックス内に鳩の視認用(ピント合わせ用)のデイライトタイプの電球1ヶ、という構成になっています。いかにして光の回りを良くするかよく工夫されています。カメラのフラッシュが光ると連動してボックス両側面のアクリル板越しに二つのフラッシュが同時に光るという仕組みです。

 私の撮影ボックスも基本的には同じですが、フラッシュは両サイドからではなく上部からバウンズさせたに光が全体に回るように工夫しています。全体の大きさは横幅、高さ,奥行き、それぞれが約60センチで内部は白色ウレタンボードを全体に張っています。前部には鳩の飛び出しを防ぐためにレース様カーテンで覆いその中に潜って撮影しています。写真の良しあしは、照明の良しあしで決まるといっても過言ではありません。経験を積んで良い写真をめざしてください。








Q:目の撮影のコツを教えて !

A:眼の撮影について

 眼の撮影は大変難しいものです。基本的には一人で撮影するのは無理で、二人で行うと良いと思います。

撮影に必要な機材は

(1)一眼レフカメラとレリーズ

(2)マクロレンズ50mmから200mm程度
  (ズームレンズでマクロ機能付でもよい)

(3)クローズアップレンズ数枚

(4)しっかりした三脚




フィルムは出来るだけ早いシャッタースピードが選べる様に高感度フィルムを選びましょう。一眼レフカメラが良い点は、実際に撮影される被写体が肉眼で観察できる点です。露出はオートで良いと思います。
最近はデジタル一眼レフカメラがフィルムカメラ並の価格になってきましたのでお勧めです。デジカメはフィルム代や現像代がかからないので経済的です。ただ、市販されているコンパクトデジカメの多くはシャッターボタンを押してから実際に写るまでのタイムラグがあるので、眼のように動く被写体を接写で撮影するには向いていません。撮影はフイルムの色温度の関係で、良く晴れた日を選び、日の当たる場所で午前10時から午後2時頃が良いでしょう。それ以外の時間帯では、色味を帯びるため本来の色が出にくいのです。撮影時にいちばん問題になるのは、ボケ写真やブレ写真を作らないための工夫です。一人はカメラ係り、一人は鳩係りです。鳩は片手でボディーを片方で顔を固定します。三脚に固定したカメラで慎重にピントを合わせシャッターを押します。最低でも5、6枚は撮影しましょう。眼を閉じたり瞬膜がかかった写真は避け良い写真を選びましょう。





三脚はハスキー3D
「一眼レフカメラ+ケーブルレリーズ」 「三脚+カメラ+レリーズ」

(NIKON D2x+ AF NIKKOR28-105mmMACRO+CLOSEE-UPNo.2No.3)








眼の好みについて

当ロフトの源鳩は写真でお分かりの様にデルバール特有の色や構造をした眼の鳩から出発しているので今でもその影響が色濃く受け継がれいると思います。HPに掲載した鳩達はあくまでレースによる実践主義の結果残ってきたもので、眼による選定は行っていません。眼にこだわりはありませんが、優秀なレース鳩は一般的にいう「良い眼をしている」とは経験上感じています。


   

Q:クローズアップレンズというのは、マクロアダプター(1:1)とは別?


A:マクロアダプターリングで OK

1:1とは、例えば1cmのものがフイルム面上で1cmで写ることをいいます。これだけアップ出来れば眼球の撮影は充分です。ただここで注意してほしいのはクローズアップ(拡大撮影)すればするほどカメラブレ(ボケる)する可能性が高くなります。そこで三脚とレリーズの使用が不可欠になるのと同時に鳩係り(鳩を持つ人)も腕や肘をイスや壁等に固定して撮影に望むことが必要になります。よく晴れた日中に撮影することがきれいな写真を撮影する大事な条件です。よくリングフラッシュを使って室内で撮影した眼の写真を鳩雑誌で見かけますが、室内で多少を照明をしたくらいでは、外光の明るさには到底及びません。したがって瞳孔が開いた状態でしか撮影出来ないので、虹彩やアイサインの構造を充分に観察することが出来ないことになります。クローズアップレンズ(CLOSE-UP)とは、UVカットフィルターやスカイライトフィルターのような一枚ものの凸レンズ状のフィルターのことです。カメラ屋さんのフィルターのコーナーに並んでいます。もう少し倍率がほしいときに使うと便利なものです。No1からNo3(弱から強)まであり、必要によっては数枚重ねて使ったりします いずれにしても失敗は成功の元、経験をつんで良い写真を撮影して下さい。


接写リング クローズアップレンズ 60oマクロレンズ